オリジナルBL

□rain
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浴室から出ると、洗濯機を回していた彼から着替えを渡された。
「はい。下着は新品だから。じゃ、僕もシャワー浴びてくるから。何も無い部屋だけど、寛いでいてくれる?」
一希は、渡された着替えを着て、その辺に転がっていたドライヤーを借りて髪を乾かした。



……どうしてこんなことになったんだろう?
ベッドに凭れて、ぼーっと窓の外を眺める。
雨は、一向に止む気配がなく降り続いていた。



数十分後、浴室から出てきた彼は下着一枚で、バスタオルを首からかけていた。
顔に似合わず、男らしい。
それなのに、何故かとても色っぽくて。
…ドキドキしてしまう。
見ないようにしているのに、冷蔵庫を開けてビールを片手に戻ってきた彼は、一希のすぐ隣に座った。
「あ、名前まだだったよね。藤咲夕紀だよ。」
「…名瀬一希です。あの、藤咲さん、色々ありがとうございます。雨がマシになったらすぐ帰ります。」
「ゆっくりしていけば良いよ。」
彼はそう言ってビールを一口飲んだ。
すぐ、隣にいる彼の身体が触れるくらいに、近い。
髪からはシャンプーの良い香りがする。
「えと・・・、綺麗なアパートですね。」
「ん?ここ、最近出来たばっかみたいだね。僕が契約したときはまだ六部屋とも決まってなかったし。前に住んでたのはもっとボロいアパートだったから、人呼ぶのも躊躇ったけど、ここだったら女の子とか連れ込んでもOKだよね?」
こんなに綺麗な人なら、すごくモテるんだろうな、なんて思ってじっと見つめていると、夕紀は、冗談だよ。と言って笑った。
「どうして引っ越してきたんですか?」
「転勤だよ。前住んでたところから通うのが面倒だったから。」
と言って、夕紀はもう一口ビールを飲んだ。
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