オリジナルBL

□恋愛の時間4 -夏希-
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「なっちー!!」
お昼休み。りょうこさんがいつものように走ってくる。
「もうすぐ夏休みだね!なっちはどっか行くの?」
7月に入って、ますます暑さが増してきた。
「いや、夏休み中も部活あるし、どこにも行かないんじゃないかな・・・。」
「えー!じゃああたしと海かプールでも行かない!?」
俺らが通っている高校にはプールが無くて、暑い中普通に体育をしている。
「あ・・・なっちは王子様だから水着とか興味ないかな・・・」
どうして王子様だと興味が無いんだ・・・?
・・・そもそも王子じゃないし。
「それくらいなら行っても良いけど・・・。」
「本当!?」
嬉しそうに俺を見てくる。
そんなりょうこさんを可愛いな、と思いながら今日のお菓子を渡す。
ありがとぉって笑顔を向けてくれる。
りょうこさんとは、入学してから毎日一緒に昼食を食べている。
それが途中からもう一人加わるようになった。
「夏希が行くなら俺も行くぞ?」
「えっ!雷も!?うわぁ凄い!両手に花だね!」
ますます嬉しそうにりょうこさんが笑った。
「花って、俺ら男だけどな。」
来栖が笑う。
来栖 雷。
・・・俺の恋人だ。
「あっ・・・でも雷は彼女と遊ぶんじゃないの!?そうだ!連れてきても良いんだよ〜?あたし見たい!すっごい美人なんでしょ!?」
・・・連れて来れるわけないじゃないか。
「まぁ〜良いんじゃねぇ?りょうこに見せるの勿体ないから。」
「何それ〜!」
ほっと息を吐いて、来栖にお菓子を渡す。
その時ぼそっと来栖が俺に呟いた。
「本当。見せたくねぇんだけど。」
来栖の顔を見る。
お菓子を受け取った来栖はぷいっと横を向いて。
怒った?
俺がりょうこさんが、どうにかなることなんて無いのに。
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