オリジナルBL

□叶 -春菜-
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「今まで本当にしたことないの?!」
千早が本当に驚いた、というような顔をしている。
「・・・ねぇょ・・・。」
俯いて小さく答える。
誰とも付き合ってないんだから、当たり前だろ。
「千早は・・・どうなんだよ・・・」
千早が黙り込む。
経験豊富なんだろうな、とは思っていたけど結構ショックだ。
「そんなに経験ないよ。」
笑顔が嘘っぽい・・・。
「この間渡した本読んでくれた?」
言われて真っ赤になってしまう。
「こっ・・・この間のアレって・・・」
大学に受かってすぐに、合格祝いと言って千早が俺に渡してきた本のことだろう。
確かに大学に受かったらHするって・・・約束(?)はした・・・けど・・・。
「大学入ってもう1ヶ月も経ったんだから。そろそろ、ご褒美頂戴。」
と、キレイな顔を近づけてくる。
うわっ・・・。
俺は首をブンブン振って。
「ムリっ・・・!」
千早に抱きしめられる。
「どうして?」
「だって、あんなのっ・・・」
痛そうだし・・・。
でもそれ以上に・・・。
千早にされたら、流されそうな自分が一番怖い・・・。
「大丈夫だって。ちゃんと気持ちよくしてあげる。」
う・・・わ・・・。
口付けられる。
「っ・・・ン・・・千早・・・待っ・・・」
「春菜・・・」
「・・・。」
千早の携帯が鳴る。
ほっとした。
「・・・何?」
電話に出た千早はすごく不機嫌な声。
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