二次小説
□アイというもの(師アレ)
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「アイって何ですか?師匠」
馬鹿弟子がまた、変なことを聞いてきた。13歳が聞く質問か?それ。
「師匠、愛人さん、いっぱいいるでしょう?アイってたくさんの人にあげれるんですか?」
「さあな」
面倒なガキだ。
「・・・一人だけ愛してほしいと思うのは、いけないことでしょうか・・・」
アレンの表情が曇る。俺はこいつの言いたいことを理解した。
もうすぐ、クリスマス。アレンが始めてマナと出会い、マナをアクマにした日。
愛情に飢えた白い子供は不安に思ったのだろう。マナが自分だけ愛してくれていたのかを。
本当に面倒なガキだ。
「いけないことじゃない。普通だ」
アレンはきょとんと俺を見上げる。
「誰でも自分だけを愛してくれって思っている。そんなもんだ、人間ってのは」
アレンは不思議そうな顔をした。
アレン
人間ってのは
勝手な生き物だ
だから
お前も
もう少し
自分勝手に生きろ
愛を
素直に求めるくらい
神は許してくれるさ。
俺はティムにアレンへのメッセージを録音しながら、思い出していた。
あの、白い愛する子供が、アイについて始めて尋ねた日のことを。
2009/11/29