羽根の紡ぎ詩
□羽根の紡ぎ詩
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全てが無に還る瞬間
真っ白な白鳥は願いました
『最期まで歌わせて』
白鳥は歌いました
それも綺麗な綺麗な歌声で
聴く者全てを魅了するような
白鳥は歌い続けました
いつまでもいつまでも
それはやがてやってきて
白鳥は想いました
『歌わせてくれてありがとう』
そのときから 白鳥の綺麗な綺麗な歌声は
空の彼方に消えて行きました
白鳥は永遠に歌を響かせ消えて逝きました
全てを魅了したもの
消えてしまいそうだからこそ
壊したいほど美しい
壊したいほど愛おしい──