タイトル企画

□止まないで
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よかったね。なんて向かいに座ったリョウク君が笑う。

いろんな事の報告と、メンバー皆に逢いたいのとあって久しぶりに宿舎へとお邪魔していた。

一度部屋へと入っていったシンドンオッパを見送り、リビングのソファに座れば今日オフであるメンバーが次々に周りに集まって来る。

純粋に祝福してくれたリョウク君と同じようにおめでとう。と頭を撫でてくれたジョンスオッパ。

それを見て隣り合わせのウニョク君がにやりとどこか意地悪そうに笑った。

「んで結局ドンヒ君と+++ちゃんってどこまでいってる訳?」

持ってたコップを落としてしまいそうになった。

驚いて言葉も出ずウニョク君を見詰めれば頬杖をついてニヤニヤしている。

ジョンスオッパはリョウクは聞いちゃダメ!なんてリョウク君の両耳を塞ぐ。

けれど表情は明らかにこの話題を楽しんでいるようにしかみえない。

でもリョウク君も聞いてしまったもので、興味深そうな眼をこちらに向けている。

包み隠さず話せという事なのだろうけれど…さすがにこれはどうだろう…。
 
「…恥ずかし…」

「えー!いいじゃん、教えてよ。ね?」

可愛い眼を向けて無邪気に尋ねてくるウニョク君に、前から心の奥底に抱えた不安も交え決心をする。

「あ、あのね…!」

膝の上に置いた掌にじわりと汗が滲んだ。

言っていいのか悪いのか、頭の中で自問自答して、

「…ったこと、なくて…!」

言った言葉は取消がきかない。

言ってからの後悔が少しだけ押し寄せつつも、昔から燻っていた疑問をタイミングはどうあれ、吐き出せた事に安堵も感じた。

「……」

けど、何も返答がなくて、勢いのあまり下を向いた顔をあげると、最初にいた3人は元より、運よく(いっそ悪く?)通りかかったのであろうシウォン君が今までにない表情でこちらを見詰めている。

え…っと、これは…?

「+++ちゃん…それほんと?」

眼が落ちてしまいそうなジョンスオッパ。

「ドンヒ君…まじ…?」

うわぁ…って顔したウニョク君。

「……っ」

なんだか気まずそうに視線を背けるリョウク君。

「……」

遠くで手を合わせ何か祈るポーズのシウォン君。

なんか…もしやイロイロ想定外な回答だったのやも…。

「…あれ、皆どうしたの」
 
そんな場面に一人不思議顔で紛れてきたシンドンオッパに申し訳なさが襲ってきた。

「ドンヒ君…!ちょっと!」

「ああぁああ、ウニョク君…!」

いかにもオッパに何か吹き込んでしまいそうなウニョク君を引き止めて、首を傾げたオッパに笑ってごまかした。

だって正直な話、“そういうコト”をしたいとかしたくないとかあまり考えたりしないから。

傍で隣にいるだけで幸せだと思うから、こだわりなんて一切なくここまできてしまった。

男の人は、そうじゃないのかな、やっぱり。

好きな人に触れたいって感情は、いつどうやって思うんだろう。

ぎゅって抱きしめられただけじゃダメなの?

訳が分からなくて立ちすくんだままオッパを見上げる。

ねぇオッパは…どっち…?








 

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