「え?ドンヒ君なら帰ったよ」
機械を通した声でウニョク君はそう不思議そうに答えた。
珍しく連絡がなかった事に疑問を感じてオッパへ連絡をいれても全く通じず。
仕事が終わったはずの時間を随分過ぎても携帯は音をたてなかった。
事故に巻き込まれてたらと不安が広がり、今日一緒に仕事だと聞いていたウニョク君に電話をしたのだけど。
「どこかに寄るとか聞いてない?」
「うーん…+++ちゃんに逢うとしか聞いてない」
「そ…かぁ」
何処に行ったんだろう?
役に立てなくてごめんね。と漏らすウニョク君との通話を切ってベッドに座り込む。
まさかお腹がすき過ぎてどこかお店に入ってるのかもしれない。
それなら無理にここに来ようとして空腹で倒れてしまうよりはいい。
「あ…じゃあ家来てからご飯食べないよね…」
メールだけいれておこうと携帯を開く。
仕事を終えた労いと、食事の事を完結に文章におこして送信した。
オッパが帰ってくるまでやることもなくて、デッキにオッパ達のDVDをセットする。
最初こそウキウキと身体を起こして見ていたのを、座っている事に疲れ、ベッドに横になりながらDVDを見ていればすぐに意識が飛んでしまった。
ふわふわと揺れる感覚に薄く眼を開けば見慣れた影が見える。
腕を伸ばそうとすればそれは優しく絡め取られた。
「ただいま」
柔らかく降ってくる言葉に笑って返せばオッパが頭を撫でてくれる。
「寝ちゃったんだね、待たせてごめんね」
「ん…、へーき」
どこに行ってたの?と聞こうと思ったけれど、なんだかオッパの掌が温かくて思考が鈍くなってゆく。
聞きたければ明日でいいや。と結論付けて抗う事なく瞼を閉じた。
「…おやすみ、+++」
掠れた彼の声に意味合いがあるなんて、握られた指先に疑う予知なんてなかった。
実際は知らないけど、ウニョクがドンヒ君って呼んでたら萌えるなぁって願望←