タイトル企画
□公認ストーカー
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「昨日食べられたモノを是非教えてください!」
開口一番がそれ。
ジュンスと事務所を出たところに居たのはもう随分と見慣れた顔だった。
「それ…知ってどうすんの…?」
頭を抱えながら彼女、+++に聞いてみたものの、答えなんて解りきっている。
「はい、今日のお夕飯に!」
やっぱりというかなんというか…。
自分の仮説と一語一句違わない答えにげんなりする。
そんな俺を見てジュンスは隣でケラケラと笑っていた。
笑い事じゃないんだって。
「それより、この暑い中どんだけ待ってたの。倒れるよ?」
所詮彼女は一般人。
事務所に入る事を許された訳じゃないから、もちろん外で待つしかない。
外は強い日差しに晒された場所で、彼女は日傘すら持たずに今目の前に立っている。
冬の時も思ったけれど
「ただ待つだけで無謀過ぎるよ…」
人の心配をよそに彼女はただニコニコ笑ってこちらを見詰めている。
「ユチョンが好きだから毎日逢いたいんです」
その言葉に俺じゃない、ジュンスが声をあげた。
「…じゃあ+++、分かったから」
ああ、まさか、俺が年下の女の子に振り回されてしまうなんて。
「明日、9時入りするからそれに合わせておいで」
俺も、焼きが回ったのかもしれない。