タイトル企画2

□無意識にこの手は、
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「…っ…きゅひょな…ぁ…っ」

小さく啼いた声に見えないところで口角をあげた。

嫌だイヤだと被りを振っても、徐々に熱を上げ始める肌は嘘がつけないのに。

ただ手の甲に口付けて舌で辿っているだけなのに、目の前の彼女はもう涙目で震えてる。

それがどれだけ心を揺らしてるかなんて気付いてないんだ。

非情な人。

「+++さ、」

悪態ついてもそれはとても無意味に。

「僕のこと好き?」

「え、なに…?」

すぐに返ってきた返事に殊更何も思わず、というかこの切り返しなのは予想の範囲内だ。

またひとつ手の甲から少し上、手首の内側に口付けて。

少し上目遣いに+++を見る。

微かに朱に染まる目尻を歪めて見詰めてくる彼女。

その距離を少し縮めて鼻先程の距離へ。

分かってはいたけど、すぐにぎゅっと目を閉じてしまって完全にシャットアウト。

いいの?そんな事して。

口角がさらにあがる。

「ね、+++言ってくれないの…?」

「ぁ…な、なんで今更そんな事、聞くの…!」

「ねぇ好き?嫌い?」

唇に触れるでもなく、鼻に触れるでもない中途半端な位置に唇を落とすと、捕まえたままの手首が微かに力む。

「や、も…きゅひょ、な…」

「言って+++。好きなの嫌いなの?」

答えなんて分かってるけど。

震えてる睫毛に唇で触れるとその瞼からついに涙が零れた。

「どうして泣くの?」

「やだ、きゅひょな、イジワル…っ」

「+++の気持ち聞きたいだけじゃん。ダメなの?好きじゃないの?」

涙を唇で辿るとほんの少し瞼が開いた。

涙で濡れてしまった睫毛と唇で、望んだ言葉を言われてしまえば。

「す、すき、だよ…きゅひょなのこと好きだも」

もう食べたくてしょうがないじゃない。

「ん…っぁ、き…」

容赦なく唇を開いてその奥に入り込む。

歯列をなぞればその舌を追うように彼女のそれも動いて。

首の後ろに腕を回しながら彼女へと体重を掛けた。

「…ん、+++可愛い…」

「、はぁ…きゅひょな、」

「うん、今日は優しく愛してあげるから」

ふにゃりと緩んだ目尻にもう一度キスを落とした。



 


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