タイトル企画2

□気づいて欲しいから、
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それはこの世で自分が世界一だと自負するくらい、当たり前のことで。

当たり前すぎるから、とても厄介な訳で。

+++と並んで座る彼女の部屋で深く息を吸い込み、目一杯の溜め息と共に頬杖をついた。

それもそうだろう、隣には久しぶりに逢う彼氏が居るというのに彼女の視線はその本人の手元へ注がれている。

部屋へお邪魔したとほぼ同時に煎れてくれたカップの珈琲は自分のばかりが減っていき、彼女のは見事減らずにそのまま残っていた。

それでもどうやっても手持ち無沙汰な訳で、また仕方なくカップを口に持っていく。

なんとも思わないわけ?彼氏が隣にいるのに。なんて雰囲気を醸し出そうと、鈍感な彼女には何も伝わらない。

寧ろ自分が彼氏だからこそ、この放置プレイ状態なんだろう。

「わ、ドンへおっぱからもメールきた」

携帯通しての相手が、皆メンバーだから。

本当、俺の彼女じゃなかったら皆本気で狙いにくるよって何度となく注意しても「そんな事ないよ。考えすぎだよキュヒョン」の一点張り。

呆れ笑い付き。

横目でメールの中身を見てやれば、ドンへヒョンのハートマーク乱用っぷりとか。

ねぇそれで考えすぎって捉える方がどうかしてるよ+++。

全く相手にされず、珈琲すらも無くなってどうしたもんかと彼女の部屋を見渡す。

女の子向けのファッション雑誌、発刊月がバラバラな音楽雑誌、SUPERJUNIORのDVD、CD。

自分のものよりSUPERJUNIOR関連の方が多いってどうなの。なんて口元を緩ませれば漸く彼女の手から携帯が離れた。



…気がしたけど。

すぐにメールを受信してテーブルの上で震えてる携帯。

勿論俺に目配せをするでもなく、すぐ手に取る+++。

「…アイス食べようかな」

ぽつりと漏らした所で彼女は何も反応せず、只の独り言で終わった。

つまらない、ツマラナイ。

冷凍庫からお決まりのソーダ味のアイスを手に取って、暫く考える。

すぐにアイスを元に戻して、隣に並んだ苺のアイスを取り出した。

普段滅多に口にしない苺味は、パッケージから明らかに甘ったるそうなそれで。

リビングの元居た場所に腰掛けて袋を破いた。

それを少し乱暴にテーブルへ追いやって、仇のように思いっきり噛み付く。

案の定口に広がるのは甘ったるい人工的甘味。

+++はこれのどこが好きなんだろうといつも美味しそうに食いつく彼女を思い出す。

隣に並ぶ+++は相変わらず携帯を操作して。

ねぇもういいでしょ?

+++が好きで好きでこれだけは譲れないってアイス食べちゃってるんだけど。

わざと袋だって目に付くように置いたんだけど。

早くアイスに気付いて俺に刃向かってこいよな。

「ねぇ+++」

そろそろ、この甘さ限界。





 


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