タイトル企画2

□心
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誰にでもスキだらけの、ドンヘ視点



きっと彼女は気付いてないんだ。

なんて楽屋で頬杖つきながら思う。

右往左往する背中を横目で見詰めて、無意識にため息をついた。

無頓着、無鉄砲。

更には鈍感ときた。

「ヌナ、ヌナ」

楽屋の隅から+++ヌナに近寄るリョウク。

荷物を持った彼女の手から、さり気なく荷物を抜き取りながらぴったりと寄り添う背中に蹴りのひとつでもいれたい苛々が募る。

気付いてなさすぎなんだ、メンバーの気持ち全部。

例えリョウクやソンミンが年下らしく愛嬌で近寄っても。
 
トゥギヒョンやイェソンヒョン、ヒチョルヒョンまでもが年上らしくかいがいしく手をかけても。

キュヒョンが不器用に絡んでも。

俺が隙あらば抱き着いたって。

彼女は平然と受け止めるだけ。

全く気付いてくれない。

「…ヌナぁ」

テーブルにべったり突っ伏しながら弱々しく呼べば調度楽屋に戻ってきたヌナがこっちに走り寄ってきた。

「お腹すいた!?」

「え?違うよ、なんでそこなの?」

もの凄く心配した顔でそんな事を言うから思いっ切り吹き出した。

何がなんだかよく分かってないヌナの手を握って軽く引っ張る。

突然の事に脚を縺れさせるヌナの身体をいつもみたいにやんわりと抱き留めた。

それなのに抵抗のひとつもしないヌナの反応に、埋めた肩口で笑う。

まだまだ、意識のいの字も思われてない自分に。

「ドンヘ?」

少し遠巻きにトゥギヒョンが何か喚いてるけど聞こえないフリ。

やだよ、ヌナが誰かのものになるなんて。

「ヌナ、好きだよ?」

「ん?私も好きだよ」

この言葉が『愛してる』に変わってくれるのはいつかな。






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