短編
□死ぬ気の天使+10
1ページ/8ページ
「ギザギザ頭だ〜」
マフィアボンゴレファミリーのボスとして1人で任務に向かった帰り、上から降ってきた声に驚いてそちらを見上げる。
…しかし、何もいない。
ここは、せまい路地裏。人通りなんてもちろんない。上からなんてあり得ないな…。オレは苦笑しながら再び歩き出す。
「聞こえるの?私の声」
また声がした、後ろから?空耳なんかじゃない!オレは振り返った。
「…誰だ?」
そこには冬だというのにノースリーブの白いワンピースの女の子が立っていた。
「君は誰?」
「えへへ、私のこと見えるんだ」
ニコニコとうれしそうな女の子。クルクルした金色の巻き毛が揺れる。
オレ、質問してるんだけど?
「私、あなたたちの言葉で言うと、天使…かな?」
クスクスと笑った。オレは子どものウソかどうかを測りかねた。