べるぜバブ

□思い出してはまたひとり嬉しくなるの
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「え、いいのか!?」

「おう、ただではやらんがな」


「え?」

しかし、聞き返した時には遅すぎた。



「んんっ!?
お、男鹿…てめえ何てことを…っ!」



なんと、男鹿が、男鹿が……



「ごちそうさま」



アイスを食っていた。

もちろん俺の。


「けっこう残ってたのに…」

「細かいことは気にするな。
溶けかけてたし」

「いやお前が来たせいだよ」

ちくしょー俺のバニラアイスは美味いか。

「…まあいいや、はやく遊ぼーぜ」

「あいよ」

手渡されたトランシーバーを眺めていると、古市はなんだかテンションが上がってきた。

「ここのスイッチを押してしゃべればいいんだよな!?
よしいくぞ!吉幾三!
しゃべるぞ!?
こちら古いt「おーい男鹿ー古市ー!みんなで虫取り行こーぜー!」

「………」

「おーいいな!
いま行く!」

「おい、まだ言い終わってな…」

「行こうぜ古市!」

「せっかくバニラ…俺の…」

「ダッシュで網とってくるわ!」

話も聞かずに男鹿は走っていってしまったので、古市は半泣きになりながらしばらくその場に佇んでいた。
けど仕方ないので自分も網を取りに帰ったとさ。

「…ぐすっ」



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