風が吹く。
草原を掛け、彼女の髪を揺する。


可愛らしいピンクの髪は膝まで伸び２つ結びにしており、艶やかであり色香を醸し出していた。金色の瞳は獣の鋭さを宿し彼女の印象をより寡黙なものにしている。だが、全体を見れば年相応な身体つきをしており、顔のパーツも整っており鋭い美しさを感じる。


彼女は青空を仰ぐ。雲はチギレチギレにそこここに霧散している。


「……異常なし」
ここにくるのは彼女の日課になっていた。誰に強制されたわけでもなく、なんとなく来ていた。


再度、心地よい風が辺りを吹き抜ける。その風は縦横無尽に繁茂する雑草を揺らす。


その風は彼女を吹き抜け、幅のある川を吹き抜け低い山を駆け抜けていく。


そこにはいつも通りの静けさがあり、のんびりとした雰囲気と時間が過ぎていた。