小説


□月明かりに映る影
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青空の下のデート

 あれから数日、俺は某日本一高い山の下にある遊園地にいた。目の前では、メリーゴーランド(正確には、“メリーゴーラウンド”だった気がする)が、ゆったりとした曲を流しながら、これまたゆったりと回っている。
 なんで俺がこんな遊園地にいるかというと、数日前のあの事件、あの御礼ということらしい。まあ、必然的に俺一人ではないのはわかるだろうけど、今、目の前のメリーゴーランドにひらひらのドレスのような服を着た美桜が乗っている。
「楽しかった〜」
 動きを止めたメリーゴーランドから、満面の笑みで美桜が降りてきた。ん?美桜が笑ってんのはじめてみるかもしれない・・・。こうやって見ると、美桜も・・・
「・・・なによ、人の顔じろじろ見て。・・・変態」
「変態は言いすぎだ」
 いつもの顔(つまりしかめっ面)に戻った美桜は、ぷいっとしてどんどん歩いていってしまう。まったく、アイツの顔の筋肉、しかめっ面で固定でもしてんのか
「おい!待てよ!」
 振り返った美桜の顔は、また笑っていた。・・・ようわからん。

 あれから数日、私たちは某日本一高い山の下にある遊園地にいた。目の前では、とある男女が仲良く(?)歩いている(笑)
 ふっふっふ・・・。二人だけで遊びにいくなんて、この喜島澪花が知らないわけないじゃない!キョーヤ君もまだまだ甘いな・・・(笑)あ、ちなみに後ろには、それぞれ変装をしたこよみちゃん、鈴ちゃん、文ちゃんがいるよ〜。
 なんで私達がいるかというと、この二人の初デートを邪魔・・・盗撮して、笑うため!まあ、本人等に言ってもデートじゃないって言うだろうけど、これはもうデートだよね(笑)
「でもでも、本当に御礼だけかもですよ!」
帽子をかぶった妹ちゃんはキョーヤ君の肩を持つか・・・
「くっつきすぎ!美桜、絶対響哉のこと狙ってる!」
 眼鏡をきらりと光らせながら鈴ちゃんの背後にダークサイドが広がってる・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 文ちゃんは、珍しく本を読まないでキョーヤ君たちの事を見てる・・・キョーヤ君、もてもてだな(笑)
「おい!待てよ!」
 おっと、二人が言ってしまう。よし、追跡を続けよう(笑)

「だ、大丈夫?」
 その問に完結かつスピーディーに答えると、NOだ!なぜ、あんな人の寿命を縮めるようなものに乗って楽しいと言える!
「まさか、そこまで絶叫系が駄目だなんて・・・」
「う、うるせー!!」
 そう、俺はありとあらゆる叫ばずにはいられないあのクソ忌々しい乗り物に乗れないのだ。ついでに言うと、お化け屋敷などという人を怖がらせてお化け役のやからが楽しむものにも入れない。なんか文句あっか!
「あんた、そんなんで遊園地来て楽しいの?」
「お前がよんだんだろ!」
「次、あれ乗ろ!」
 美桜は、俺の腕をつかんで歩き出す。たく、人の話を聞けよ

 おっと、これはこれは・・・。早速、観覧車に乗るのか・・・(笑)二人は、観覧車の列に並んで楽しそう(?)に話している。
「か、観覧車!?そんな・・・若い男女が二人っきりで・・・あんな狭い密室に・・・」
 い、妹ちゃんが先走りすぎてるみたい。落ち着こう妹ちゃん
「響哉!誘惑に負けんな!負けたら承知しない!」
 鈴ちゃん!半径5メートル内に人がいなくなっちゃったよ!
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 文ちゃんが、目を見開いてる・・・・・・キョーヤ君、もてもてだな(苦笑)ていうか、連れてきたの失敗かな
「そんなことより、二人の後ろに並びましょ!そうすれば、あの子達の次のに乗れるから」

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