逆転裁判
□bittersweet
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ねぇ もっと早く逢えていたら、
私は貴方の視界に入れましたか?
貴方の真似をしてコーヒーを淹れてみたけど飲む気になれなくて、
冷めたコーヒーを見つめても何も答えは出ないし…
砂糖を沢山入れても、ミルクをたっぷり入れて一口含んでみても、
コーヒーは苦いままでした。
「…ゴドーさん」
貴方の過去に何があったか詳しくは知らないけど、
私は誰よりも貴方の事を知っているつもりです。
愛しているつもりです。
なのに、
貴方の世界には先輩しかいないんですね。
「…神乃木さん」
どんなに想っても、
どんなに傍にいても、
私の気持ちに気付かないフリをして、
なのに優しくしてくれたり、
ニヤリと笑って私を見下ろしたり、
私の心を簡単に奪っていくんです。
『 bittersweet 』
どうか、少しでいいから、
私を、その瞳に映してください。
飲んでいるコーヒーは甘いはずなのに、私には苦くて仕方がない。
End