逆転裁判

□カクテル
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渇いた喉に流し込んだ甘い香り

カクテルを一口飲んだら自然と涙が出てきて

昔の事を思い出してしまった





3年目になるこの仕事場にも慣れてきて


同時に私は何かを無くしたような気がした




「御剣が結婚したんだって」



そう龍一から聞いた時はビックリして声も出ずに、ただ涙を堪えて平然を装った


(…私はまだ貴方の事が好きなの?)



けどそう思う反面、


私の好きになったくらいの人だから
貴方の選んだ彼女は素敵な人なんだろうなぁ…って考えてたりしている自分がいる





御剣とは昔付き合っていて、その頃御剣は私の全てだった


だけど、気持ちのすれ違いのせいで私と御剣は自然消滅してしまった


まぁ、彼氏彼女の関係から仲のよい友人に戻っただけなのだけど…



少し経って御剣に彼女ができて

私も龍一と付き合うことになった




付き合っていた頃は何だって言えてたけど

別れてから数ヶ月くらいはちょっとぎこちなくなってしまったけど今は恋の相談もちゃんと出来るようになった






あれから色々あって



御剣は長女が産まれ、


私は龍一と結婚した




そして、今、私は御剣の子供を見に行こうという事になって龍一と共に御剣の子供に会いに来ている



当たり前なんだけど5年前、心の底から欲しかった貴方の子供に私の面影はなく

目元が奥さんにそっくりでとても可愛らしい女の子だった


私が微笑むとニッコリ笑って手を伸ばしてきて私の指を握った

その様子を見て私は後ろに立っている龍一に振り返る



「見て、龍一!私の指必死に握ってる!可愛いね」

「…俺も赤ちゃん欲しくなったなぁ」

「///え?」

「なーんてね。赤ちゃんは欲しいけど、まだ新婚さんでいたいから、もう少ししてからかな…」

「そーだねぇ」



何だか、今幸せだなって思って

皆幸せになればいいなって思って


そしたら龍一との写真が増えていって…


それを見て、また幸せになれる



『カクテル』



もう、甘いカクテルに溺れた夜はいらない


今は幸せって感じられてるから…



End


イメージソング:カクテル/Hysteric Blue



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