逆裁

□それでもやっぱり好きなんです
1ページ/1ページ





泣きじゃくる弓彦は、お世辞にもカッコイイとは言えないけど、初めて自分だけの意思を言葉にしてる。


隣にいる御剣さんに助けてもらってばっかりで、まだまだ一人前とは言いにくいけど、着実に弓彦は成長している。


そう思ったら、泣き顔さえも愛しく感じた。


末期だな、と溜め息を吐いて、自分自身に苦笑する。



「ねぇ、弓彦」

「ん?」

「私、弓彦のこと大好き」

「うおおッ!イキナリ何だよ!!」

「今、言いたくなったから素直に伝えてみようと思って」

「ん。そう…」

「弓彦は?」

「えっ?」

「私のこと、好き?」

「…………好きだ」




弓彦の返事に満足した私は、自分でも分かるくらい頬の筋肉が弛んだ。





『 それでもやっぱり好きなんです 』





どんな弓彦でも好きだから、ダレも信じられないなんて言わないで。


世界中のみんなが敵になっても、私はいつだって弓彦の味方だから。


弓彦の全てを愛しいと思うよ。




「大好きだよ、弓彦」




愛しい、愛しい、私の彼氏。





End

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ