逆裁
□それでもやっぱり好きなんです
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泣きじゃくる弓彦は、お世辞にもカッコイイとは言えないけど、初めて自分だけの意思を言葉にしてる。
隣にいる御剣さんに助けてもらってばっかりで、まだまだ一人前とは言いにくいけど、着実に弓彦は成長している。
そう思ったら、泣き顔さえも愛しく感じた。
末期だな、と溜め息を吐いて、自分自身に苦笑する。
「ねぇ、弓彦」
「ん?」
「私、弓彦のこと大好き」
「うおおッ!イキナリ何だよ!!」
「今、言いたくなったから素直に伝えてみようと思って」
「ん。そう…」
「弓彦は?」
「えっ?」
「私のこと、好き?」
「…………好きだ」
弓彦の返事に満足した私は、自分でも分かるくらい頬の筋肉が弛んだ。
『 それでもやっぱり好きなんです 』
どんな弓彦でも好きだから、ダレも信じられないなんて言わないで。
世界中のみんなが敵になっても、私はいつだって弓彦の味方だから。
弓彦の全てを愛しいと思うよ。
「大好きだよ、弓彦」
愛しい、愛しい、私の彼氏。
End