テニプリ
□ねぇ、染まって。
1ページ/1ページ
無垢で穢れを知らない君は、抱きしめただけで顔を真っ赤にし、口付けは触れる程度のものまでしか知らない。
君を色で表すなら、真っ白。
「紅葉、綺麗だね!」
「そうだね」
緑色だった紅葉が紅くなってゆくのを見て、綺麗だと微笑む君。
うっとりと視線を紅葉へと注ぐ君を見ていたら、後ろから抱き締めたくなった。
ぎゅっと抱き締めれば、小さく「きゃっ」と悲鳴をあげる君。
「どうしたの?」
「ん?いや、ただ…」
こうやって抱き締めたら、君が俺色に染まる気がして…。
「…ただ、抱き締めたくなっただけだよ」
「ふぅん…そっか」
「うん、そう」
『 ねぇ、染まって。 』
何色かで君を染める事が出来るなら、
心も身体も何もかも、
君の全てを俺色に…。
End