その他

□拒否権なんて最初からなかった!
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気が付いたら、私はピカチュウになっていました。



「ちょ、おまっ、モンスターボール投げるんじゃねーよ!」

「えっ?しゃべった?!」

「しゃべりますよ!コッチはこれからの人生かかってるんだからっ!」

「じ、人生?!」



私の発言に驚きながらも、目の前の男の子はその場にしゃがみこんだ。

きっと私と目線を合わせるためだろう。

じーっと男の子を見ていたら、男の子は私に微笑みかけてきた。

…何だよ、コイツ。良い奴じゃんか。



「…えいっ!」

「っ?!」



前言撤回。

コイツ、悪い奴だっ!!

何の躊躇もなくモンスターボール投げやがった!

つか、暗っ!え、私、もしかして只今モンスターボールの中とか?



「だ、出してっ!モンスターボールの中の生活なんて嫌っ!」



じたばたボールの中で暴れていると、いきなり目の前が明るくなる。



「きゃっ!」



おもいっきり顔面をぶつけた。

鼻が痛い…。

どうやらボールの外に出れたらしい。

男の子がニッコリと笑ってる。



「ピカチュウGETだぜ!」

「えっ!?」

「ニックネーム何にしようかなぁ〜」




『拒否権なんて最初からなかった!』




ボールを投げつけられた時点で私の運命は決まっていた。



「これからヨロシクな!」

「イヤだ〜〜ッ!」




End

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