メイン 短編

□でも…好きでした
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『た、ただいまー』
ガラガラ…

万事屋に帰ると新八と神楽がかけつけてきた。

『銀ちゃああん!ニュース見たアルか!?』

新八と神楽に引っ張られ部屋に入るとテレビにはニュースが流れていた。


《あの江戸の平和を守る武装警察真撰組についてのニュースです!鬼の副長として知られる真撰組一の色男、土方十四郎が一番隊隊長沖田総悟とのキス…》


『銀ちゃん知ってたアルか!?』
『恋仲だったそうですよ!?』

『んなこと知るか!!恋仲だろうがなんだろうが興味ねえよ』

知らないと言うのは嘘になるだろうか…










「ごめんなせ…俺、」
「あーいいよいいよ別に、気にしてねえし。」
無理だとは思っていたけど…沖田くんにふられてしまった。
「土方、か?」

「え…」

「土方が好きなの?」

沖田くんが首を横に振った。
少し安心した俺がいた。

「正直…あの人が好きなのか…俺自身分からないんでさ。土方さんが…俺のことを想っているのは…知ってやす。でも俺は…真撰組一番隊長で。俺が…土方さんのこと好きになったりしたら…っ」

「両想いじゃん」

「それが、嫌なんでさ…っ。俺が否定しないと両想いになって通じ合って…一番隊長と副長の関係じゃなくなっちまう。土方さん、副長なのにそんな不純なこと、絶対後悔させまさ…!足、引っ張ることになるし…」

あの時俺は、可哀想な土方。そう思った。
沖田くんは気づいてないだけで土方が好きだ。
ただ怖いんだ…、立ちはだかる壁が。

後ろ指指されるのはなれているはずなのに土方まで巻き込んでしまう、と、それは嫌だと…自分の気持ちさえ見ないふりだ。
…俺にはあっさり振ったのにな。
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