メイン 短編
□土方さんの誕生日。
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『これは俺の生きてきた18年間という人生の中で最も難しい問題でさァ。姉上が亡くなって俺の肉親という存在がいなくなった今、相談を持ちかける事ができるのは友人のアンタだけでさァ。しかも、その相談がこんな難解なものとなる。俺は一週間前から必死に考えた…。自分が今、すべきことは何か?でも、去年の俺なら誕生日を命日にしてやろうと、ありとあらゆる武器を買い占め血祭りの準備を』
『うるせえええ!!』
ここは万事屋銀ちゃん。
ソファーには向き合って座る男二人。
『だいたい、田舎にいた頃から一緒立ったんだろ?野郎の誕生日プレゼントなんて自分で考えろや。めんどくせーなオイ。』
『そうですかィ。残念…せっかくケーキ買ってきたのに。』
『で、どうするー?土方くんへのプレゼントー!!』
『態度変わりすぎだろオイ』
今日は土方さんの誕生日だ。
そんなこと、よーく分かっている。
いるけど…
『だいたいよ〜。野郎同士、誕生日プレゼントなんていらねえんじゃねえの?』
去年の俺の誕生日。晴れて俺と土方さんは両想いになった。
前と変わらず、命狙ってみたりするが、決して憎いとかじゃなく…その…だから…構って欲しいって理由であって。
つまりは、俺たち二人はラブラブだということ。
『そんなこと言わないで下せえよ。こっちだって悩んでんでさー。』
旦那は俺たちが恋人同士なんて知らない。
旦那が偏見とかする人じゃないことはわかっているが…わざわざ言う必要もねえもん。
『今日だけ命狙わないでいてもらえるだけで嬉しいんじゃねえの。つかそれ最善だろ。』
それだけじゃイヤだ…
『分かりやした。じゃあ帰りやす。』
『え?分かってないよね?超不機嫌だよね?ケーキ持ってくつもりだよね?置いてってェェェ!ケーキだけはァァ!』