メイン 短編

□銀さんの大好物。
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ここは江戸一番混むと言われる道路。交通整理のため今日は朝早くから働きっぱなし。寒い…
もうすぐお昼になる。
腹減った…
さすがに疲れたなあ…

すると後ろから誰かに抱きしめられた。

『きゃ』
『おっきたく〜ん!』
『や、旦那ですかィ…びっくりしやした』
『今日も可愛いのね』
旦那が俺を正面から軽く抱きしめる。
髪の毛の匂いをかいでいるのか、俺の髪にクンクンとする。
『ちょ…近っ』
『あー良い匂い。なんか甘いものでも食った?』
『何も…』
『あーじゃあもともとの匂いか。銀さん甘いもの好きだからさー。たまんないわ』
『甘いもの好きなことぐらい知ってやす。いい加減離れなせぇ』
腰に腕が回る。

ちょっと!

『沖田くんはー銀さんの大好物。』
『は!?』
なんか段々恥ずかしい話になってねえか?

『超食いたいんだけど…だめ?』

俺を、食う?

『いや…俺も腹減ってるから食欲はとても理解できますけど…俺、食べれやせんぜ?』

だって食いもんじゃないもん。

そういうと旦那はポカーンとマヌケツラ。

『…え?それはー…誘ってるの?』

『何がですかィ?』

旦那は頭をかいてまた質問してきた。

『あー…じゃあ天然?』

『俺は天然じゃねえですぜ!何言ってんでさっ』

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