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「緑色の花ってあるのかな」
鼻声のくせにはっきり聞こえる。耳に残る声。
「調べてみる?インターネットとか図書館で解るんじゃない?」
彼女が言うには、俺の声は落ち着いた声らしい。
「そんな見つけ方は嫌」
言った後に強く睨まれた。調べるなってって事だと思う。
「花屋で聞くの…」
「だめ」
やっぱり。
「実際、見つけ方はなんでもいいの。テレビでも雑誌でも、それこそインターネットだっていい。けど、自分から探しに行くのは駄目。偶然なのが大事」
「わかった。待とう」
「うん」
馬鹿と思われるかもしれない。
けど俺は彼女のそんな所に惚れたんだ。
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