駄文

□game
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「リョーマくんの意地悪!」

「何を今さら」

「なんていつも私ばっかりに意地悪するの?」

「竜崎が一番イジメ甲斐があるから」

「なんで?なんで?私リョーマくんのか、かかか、…かのじょなのに」


そう言って桜乃はスカートを握りしめる。
リョーマはそんな桜乃をみてニヤニヤしながら


「聞こえないんだけど」

と聞き返す。
もちろん聞こえていた。


「そ、そんなぁ」

「聞こえないもんは仕方ないでしょ。竜崎が悪いんだし?」

「リョーマくんが意地悪なのが悪いよ!」

「へぇ、竜崎の癖に俺に反抗ねぇ」

「私だって、たまには…」

「俺ショック…」


リョーマはショックを受けた様子はなくむしろ楽しそうに言う。
桜乃も嫌な予感がしたのか目を反らした。


「竜崎」

「…」

「竜崎ってば」

「ゃ、リョーマくん!」


桜乃を抱き締めて首筋に唇を這わせる。
唇はゆっくりと上昇し耳の裏にキスを一つ。
そのまま耳たぶを口に含み舐めあげた。
桜乃の小さな身体が跳ねる。
耳への愛撫はやまず、腰に回された手が厭らしく脇腹を撫でた。


「ゃぁ、やだ、やめてぇ」

「言ってることと身体の反応が真逆なんですケド」

「そんなことっ、」

「あるでしょ」

「ひゃ!!…ゃだ、リョーマくん」


脇腹を這っていた手が制服の中に移動し、桜乃のキャミソールをたくし上げて肌に触れた。
細すぎるウエストを指先で味わう。
桜乃の身体は時折震えながら、それでもリョーマに抵抗していた。

全く抵抗になっていなかったが。


「リョーマくんの、えっち」

「そのえっちな奴にこんなことされて感じちゃってる竜崎だって充分えっちだと思うけど?」

「ちがうもん!!リョーマくんがこんなことするから…」

「それをさせるのは竜崎でしょ?いっつも誘惑してきてさ」

「誘惑なんかしてないもん!」

「その涙目、上目遣い、抱き心地のいい身体。誘ってんじゃん」

「ふぇ、最後のはどうしようもないよぉ」

「もっと肉つけてもいいと思うけど」


リョーマの全身を舐め回すような視線に耐え切れなくなり身を捩る。


「これ以上太っちゃったら…」

「何言ってんの、あんたガリガリじゃん」

「うぅ。どうせお子様な体型だもん」

「確かにね。俺的にはもっと肉つけてほしいんだけど。ココとかさ」


リョーマが触れたのは桜乃の胸。
制服越しに添えて大きさを確かめるようにやんわりと揉む。


「ふきゃあ!な、何するの!?」

「俺だって竜崎のコレが少しでも大きくなるために頑張ってるんだけど」

「ぁ、ぁ…」


ゆっくりと、優しい手つきに桜乃は更に赤くなって。


「俺の努力が実らないのは竜崎の食生活に問題があるんじゃない?あんた少食だし」

「…りょ、りょ」

「まぁまだ中学生だし?胸が小さくてもこれから大きくなるかもだけど、やっぱり手のひらサイズはほしいよね。彼氏としてはさ?」

「りょま、りょまくっ」

「けど、小さいほうがこうやって口実作って触れるからいいんだけどね。あんたの裸見たときとか小さいのも可愛いとか思うし」

小さいほうが感じやすかったりすんの?
なんて桜乃に聞いた瞬間リョーマの顔面にまるで鞭のような桜乃の三つ編みが飛んできた。


「ぅわ!ちょっ!!」

「ばかばか!!なんでそんなこと言うの!!リョーマくんのばか!!私が胸小さいこと気にしてるの知ってる癖に!」


ぽかぽかとリョーマの胸を叩きながら桜乃が叫ぶ。


「気にしてるの知ってるからこうやってお手伝いしてるんでしょ?」


桜乃の胸に添えられた手がまた動き出す。
勇ましくも桜乃はその手を叩き落としリョーマにもう一発三つ編みの鞭を食らわせるのだった。


「いっつもそうやってえっちなことばかりするんだから!」

「いいじゃん、別に」

「もう!嫌いになっちゃうよ!!」

「できるもんならどうぞ」


しれっと言い放ったリョーマに桜乃の怒りがとうとう頂点に達した。
先ほどまで羞恥で赤く染まっていた頬が今は怒りで真っ赤になっている。


「わかった嫌いになる!!私、リョーマくんのこと嫌いになるからね!」

「竜崎には無理だよ。あんたなんだかんだ言って俺のこと大好きじゃん」

「い、今からは違うもん!」

「ふーん」

「リョーマくんなんか嫌いだもん」


頬を膨らませてプイッとそっぽを向く。
リョーマはその様子をほくそ笑んでみていた。


「じゃあ試してみる?」

「え?」

「あんたが俺を嫌いになれるか」

「なれるもん!」

「じゃあ3日以内に俺を嫌いになれたらあんたの勝ち、俺の負け」


勝ち、負け。
それに何の意味があるのか、桜乃には全くわからなかった。


「リョーマくん、3日後って土曜日?」

「そ。俺、その日は部活午前中で終わりだから昼過ぎにでも俺ん家来てよ」

そんときに竜崎が俺を嫌いになれたかを確認してさ。

でも、と桜乃の頭にはまだ?がいっぱい。


「勝ち負けってなにに関係あるの?」

「それは俺ん家来てからのオタノシミ」

「ふえ〜」

「竜崎は俺を嫌えるようにせいぜい頑張って」


リョーマの余裕に満ちたその態度に桜乃は眉を寄せた。

勝ちたい。


「絶対にリョーマくんを嫌いになるんだから」
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