駄文

□honey lemon
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「あ、あのね」


昼休み、いつも騒がしい小坂田と大人しい竜崎がやって来た。

珍しく今日は小坂田ではなく竜崎が俺の机の前に立って話しかけてきた。
いや、話そうとしてきた。

竜崎はもじもじして。
さっきからずっとこの調子だ。

小坂田は後ろで「がんばるのよ桜乃!」と、小声(??)で励ましていた。


「えっと、あの、リョーマくんに…」

「なに?」


早くしなきゃ昼休み終わっちゃうんだけど?
そろそろ助け船だすか…。


「さっきから後ろに何隠してんの?」

「ふぇ!?」


まさかとは思うけど気づかれてないとか思ってたわけ?
いやいや、そんなもじもじしながら手を後ろに回してたら、何か隠してると思うのは普通だよね。


「えっと、は、はい!!」


赤くなりながら渡されたのはポンタ。
でも俺がいつも飲んでるやつとは違う。
黄色を主としたデザイン、そのボディにはハニーレモンとイラストつきでかかれていた。

ふーん。
新作ね。


「あのね、さっき購買に行ったら打ってて…」


竜崎はそれで…と言いながら言葉を続けず俯いてしまった。
可愛いやつ。


「それ、俺にくれんの?」


コクコクと三つ編みをそりゃもう盛大に揺らしながら頷いた。
ってか、そんなに頭振ってたらいつか頭もげるんじゃない?

竜崎からポンタを取り上げ、プルタブをあける。
プシッといい音がした。

それを口に含むと口内を炭酸独特のシュワッとした感覚がひろがり、それを追いかけるようにレモンの味がして、喉に流し込んでから蜂蜜の風味がした。

味はたしかにハニーレモン。

でも…、
ぐっと眉間にシワが寄り、それに反応した竜崎の身体がビクリと跳ねる。


「あのさ、すっごいぬるいんだけど…」


そりゃ、なかなか長い間真っ赤な竜崎が握ってたから当然っちゃ、当然なんだけど…。


「ご、ごめんなさっ」


目がうるうる。
え、もしかして俺泣かした!?
ぬるいって言っただけじゃん。
泣くこと?


竜崎に泣かれたくない。
何より小坂田が俺に向ける視線にだんだん殺気が帯びてきてる気がするんだよね。


「別に、怒ってないから」

「で、でも、私、リョーマくんに冷たいのを飲んでほしくて購買から急いできたのに…」


ごめんね、冷たい方が美味しいのに。
しゅんと項垂れながら竜崎が続けた。

俺に冷たいのを飲んで欲しかったのに自分がもたもたしてて温くなっちゃったのが悲しいのか、恥ずかしいのかはわかんないけど、そんな理由で泣きそうになるなんて、ね。

可愛すぎでしょあんた。


「あんたも飲めば?」


そう言って目の前に立つ竜崎にポンタを差し出した。
竜崎はきょとんとしてる。
「あー!いいな桜乃!!リョーマ様と間接キス」

「か、かかか間接キ!?」


『ス』が言えてないですよリュウザキさん。


「あ、や、そのぉ」


リンゴを通り越してすでにトマトだ。

俺はすっと席を立ち、ポンタを持ってない方の手で竜崎の手をとった。


「小坂田」

「はいはい、5時間目までには戻してくださいね」


察しのいい小坂田から竜崎を借りる許可をとり、教室を出た。

クラスのあちこちから冷やかすような言葉が聞こえたのも無視して。

そして着いた先は部室。

上靴のまんま外にでたけど校内だと誰かに見られるかも知れないし?

俺は別にいいけど竜崎は恥ずかしがり屋だからさ。

今日は先輩たちも練習してないっぽいし、ラッキーじゃん。


「リョーマくん?」

「なに?」

「なんでここに?」

「はい」


竜崎の質問に答えず、また竜崎の前にポンタを差し出した。


「ほぇ?」

「飲みなよ」

「え!?だって、そそそれ飲んだらかかかかか間接きしゅちゃっ」

「キスで噛むってどうなの?」


クツクツと喉の奥で笑う。
その間接きしゅをするためにわざわざ移動したんですよ。
リュウザキさん?


「はぅ」

「別に他に見てるやつなんていないんだしさ」

「で、でも!」

「ほら」

「そ、そんなぁ」


むっ


「へぇ、竜崎は俺なんかと間接キスしたくないんだ?」


俺って確信犯。
竜崎にそんなこと言ったら竜崎が断れないの知ってるくせにさ。

でも、いい加減このもどかしい距離を詰めたいんだよね。
ってか、詰めるっていうより距離を0にしたいわけ。

竜崎にはちょっと可哀想だけど、あんた、ここまでしないと動いてくれないしょ?

竜崎は何も言わない。

それがもどかしくて。


「竜崎は俺のことキライ?」


急かす。

そしたら竜崎は勢いよく顔をあげて

「そんなことないもん」

と言った。


俺は

「じゃあ飲めるじゃん」

と追い詰める。


「で、でも。リョーマくんは話が飛躍しすぎで…」

竜崎には悪いけど話は俺の右耳から入って左耳から抜けていく。

俺の頭の中はただ、ぱくぱくと動くぷっくりとした口がすっごい柔らかそうで。

うまそう。

食べたい。

なんてことでいっぱいだった。


「わかった」

「ほんと?」


ポンタをグイッと煽り口に含んで喉に流し込まないで無防備な竜崎の唇を奪った。

うん。やっぱ柔らかい。

その柔らかい唇の隙間にポンタを流し込んだ。


「ふぅ、んん!?」


竜崎の小さな口には全部収まらなかったっぽくて溢れたポンタが竜崎の顎を伝ってポタリと垂れた。

口の中のポンタがなくなったから唇を離すと小さなリップ音。

ほんとはもっと味わいたかったけど。

ふと竜崎に目をやると…。


「何してんの?」


赤い頬っぺたをぷくうっと膨らませ、リスのようになっていた。

要は

「俺が口移しづあげたジュースが飲めないってこと?」


ぴきっ


こめかみに青筋が浮かぶのを感じた。

竜崎はおろおろしてて。



「竜崎」

「?」


首を傾げる竜崎の鼻をつまむ。


「んぅ!?」


じたばたともがくのを押さえつけて。

息ができないなら口の中のジュース、飲むしかないもんね。

コクリと喉が鳴ったのを確認すると鼻をつまんでいた指を離す。

ちょっと赤くなっていた。


「な、なんでこんなことしたの!?」

「竜崎においしいの飲ませてあげたくて」

「なっ!!」

「オイシカッタデショ?」

「く、口移しじゃなくたって…」


はいはい。

白状しますよ。


「俺もオイシイ思いしたくてさ」

「ふえっ!?」

「あんたのクチビルうまそうじゃん」

「ぁ、あう、」


だから奪っちゃった。

あんたの初めて


「ごちそうさま」


ちゅっとセカンドキスも奪う。

ファーストキスはハニーレモンの味


○●○●○●○●○●○●○●○●○●
ファンタの新作がハニーレモンだったのをネタにww
私もハニーレモンを買ったのは購買です(*≧m≦*)
いつもは隣のグレープなんですがハニーレモンにしました!
ファンタの新作とファーストキスはレモン味っていうのをモチーフにww
りょまさん鼻つまむとか鬼!
でもりょまさんが鬼なのは皆さんご存知ですから♪♪
跡部の坊主事件を参照←
氷帝のみなさんはりょまさんが鬼であることを身に染みて知ってますww
リョーマは人の目を見て話すってあまりしなさそうですよね。
人の目を睨んで話す(罵る、バカにする)はしょっちゅうですが←←
だから桜乃ちゃんと離すときは目じゃなくて唇を見てたらいいなぁとww
その唇をみて美味しそうだな、とか、貪りたいなとか考えてると私的に美味しい!!(変態全開
ファンタのハニーレモンって期間限定なのかな?
だとしたら一応、これは2011年5月に書いたものです。
とか書いておく(^^)
これはファンタのハニーレモンを買った日にプリントの裏に書きなぐったお話です←
ファンタハニーレモンを飲みながら食べたチーズタルトは美味だった!!
私が書くりょまさんの行動は中学生じゃないorz

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