ネギま短編
□堕ちる天使
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満月の夜。
月に照らされ、傷だらけの天使が空から落ちていた。
「そうか、魔物と相打ちになって…。」
最後の力を振り絞り、白き翼を羽ばたこうとする天使。
しかし、翼が動かなかった。
いや、翼だけではない。
もう天使には指一本も動かす力が残っていなかった。
「そうか、私はもう死んでしまうのか。」
天使が受けた傷は致命傷なものばかりだった。
「私は何故、まだ戦っているんだ。守りたい者はもう手が届かないところまで行
ってしまったのに。」
死を覚悟した天使の瞳には涙が溜まっていた。
そう、天使は幸せだった過去の事を思い出していた。