とある短編
□気付け
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あんたしかいないわよ。
〜気付け〜
今日もあんたは、傷を作って帰ってくる。
帰ってくる時間はそれぞれ。
門限ギリギリであれば、夕食の時間が終わる時間。
まず余裕を持って帰ってくることはない。
非番の日ぐらいゆっくりしていて欲しい。
だけどあんたは、
「お姉様と一緒に買い物に行きたいですの。」
とか
「お姉様とデートをしたいですわ。」
とか言う。
もちろん、それは却下であって
「今日は部屋でゆっくりしたい。」
と言うと渋々了承して、部屋で一緒にいてゆっくりしている。
どこにいてもあんたの変態行動は絶えない。
学校にいようが、街中であろうが、風紀委員の支部であろうがお構いなしに抱きついてくる。
それとは別に本当に同一人物なのかと思うことがある。
いつも私と一緒にいるときはまだ幼さが残る顔。
それが風紀委員の時は顔つきがガラリと変わる。
キリッとした顔になり、大人っぽい表情をする。
風紀委員のときだけではない。
部屋で勉強しているときや、資料をまとめているとき。
学校で友人と一緒にいるときは常にあの顔だ。
私の前だけだ。
あの顔をするのは・・・。