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□図書委員の君に恋をした
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柔らかな朝日。清々しい朝の空気。

朝日と相まって真っ白な紙上に踊る文字達は、宛ら輝いている様にも見えて…

私は朝の日課であるこの一時を、多幸感共に噛み締めていた。

そんな中、背後から聞こえ来たのは…私の名を呼ぶ声だった。




「あ、委員長!委員長!」


『…………』




“委員長”とは私のニックネーム。

私が現実に図書委員長を任されている事から来ているらしい。

…此処で、笑わないで欲しい。

私はクラスの大半から、というか一般的にそう呼ばれている。

ちなみに私にだって、維英碧央という名前がある。

小さい頃はともかく、私を中学から知っている人は、“委員長”が定着し過ぎていて、私の本名を知らない人が多いのではないだろうか。

現に…





『お早う。朝から煩い』


「おはよう!相変わらずの毒舌だねー」


『…別に毒吐いてる認識無いけど』


「だからー、そういうのが毒吐いてるんだってさ」





そう少し頬を膨らませながら呆れた様に笑う彼女の名前は、咲。

咲とは、まぁ何て言うのか小学校の頃からの腐れ縁みたいなものだ。

本ばかり読んでいるから、ろくに流行の話題なんか持ち合わせていない私にも、何故かずっと付いて来る…ちょっと変わった人だ。

…自分で言うのも何だが、こんなのと一緒で何が楽しいのかな。




そんな彼女でさえも“委員長”以外の呼び方で呼ばれた記憶は無い。




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