きらめく恋
□16)スキー初心者
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あの事件も無事に終わり、私たちのスキー代金も返ってきたし、期末テストも悲惨な点数だったけど平和な日常が戻ってきました。
そして、遂に待ちに待ったスキー合宿の日!ヤバいよ!雪だよ、雪!テンション上がる!と言うことで、今、スキー場に居ます←
「さァっむ!!」
「一面雪なんだから当たり前でしょ」
「そうだけど、寒い!」
人一倍冷え性な私は、ほんの寒さにも弱い。だから誰よりも厚着をしなきゃいけないのに、雪を完全になめてた…。体操服とコートだけ。
「あんたもバカね。そんな薄着して」
「う…、気にしてたことをズバッと言われた…」
とにもかくにも、滑らないことにはここに来た意味がない。おぼつかない足取りで何とか雪山の天辺(って言っても小さい緩やかな雪山だけど)に到着し、恐る恐る滑ることに。
「怖いよォー!紗葉!怖いよォー!」
「アンタは子供?;;」
「ぎゃあー!!転ける転ける!」
「……ι」
17年間生きてきて初めてスキーを体験したものだから、上手く滑れない。当然だけども。
それでも何とか滑れてるから、『私って飲み込み早いのかも』とか自惚れていたら、足がもつれて転けそうになった。
思わず目を瞑って痛みが来るのを待っていたら、いつまで経っても痛みがやって来ない。どうしたものかと、ゆっくり目を開けると、
「どんくせェな、お前」
どうやら赤砂が私を支えてくれていたみたいだった。助けたあとのあの言葉は余計だったけど。
そこでふっと思う。私を助けれた=赤砂は滑れるって方程式が成り立つ。何よ、私は滑れないのに赤砂が滑れるって腹立つ。
「あれ、赤砂ってスキーできるんだ?」
「当たり前だろ」
「………」
「もしかして滑れねェの?」
「…………」
「……図星か、」
『クククッ』と笑っている隣の赤髪が憎い。あまりにも笑うものだから恥ずかしくなって『笑うな!』と怒った。でもそれも同じことで笑うのをやめない。
散々笑ったあとで気が済んだのか、落ち着いて私を真っ直ぐに見た。あ、まだ目が笑ってる。
「俺が教えてやろうか?スキー」
「え、」
「嫌なら別にいいけど」
「お、教えて…!」
まさか、赤砂に教えてもらうことになろうとは…。いや、自分から頼んだのもあるけど。
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