□黄昏の向こうは暁
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俺はある日の夕暮れ時に任務を終わらせ、アジトに向かっていた。



空を見上げれば黄昏特有のオレンジ色。



太陽が沈み始め、徐々に暗さを増していく。



決まってこの時間は頭痛がする。



あの沈みかけている太陽が幼い頃亡くした両親と被るからだ。



木ノ葉に任務に行った両親は木ノ葉の白い牙の手によって殺された。



そう、俺を置いて…。



未だにこのことを引きずってるなんて、我ながら呆れる。



はぁ…と一つ、深い溜め息を吐いた。



今、俺は砂漠から森にかけての一本道を歩いている。



もちろんこの時間帯は誰も居やしない。



一人でゆっくりと道を歩いていたあと、目の前になにかが踞っているのが見える。



よく目を凝らして見ると白いワンピースを着た少女だった。



気配を消し近づいてみると、



「うっ…ひっく…」



どうやら泣いているみたいだ。



いつもの俺なら何喰わぬ顔でスルーするのだが、そうもいかなくなった…。



「なんだ?」



俺の暁コートの裾を掴んで離さない少女。



「…どうした?」



いくら問いかけても返事はない。


ただ、目に涙を溜めて俺を見上げているだけだ。



「用がねぇーんなら、他人を引き止めんな」



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