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□忘れ物の奇跡
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※学パロ



夜の8時に誰も居ない校舎内を一人で歩くサソリ。明かりなんかついていなく、廊下から入り込む月明かりだけが頼りだった。



淡く入り込んだ光でなんとか自分の教室を見つけ、忘れ物を探す。忘れ物とは携帯だった。



いつもなら肌身離さず持って帰るのだが、この日だけは何故か忘れて帰っていた。携帯が無い事に気付いたのは家に着いた直後で、取りに戻ろうか悩んだ結果、今の状態にある。



「…あった」



教室の一番後ろの一番左にある自分の机の中をがさがさ探ると、いつも持ち慣れている物体が手に当たる。



何も考える事なく、それを持ちもと来た道へと引き返そうとしたその時……、



「…ぅあっ!」

「!!」

「…あっ、ぁあ…っ!」



誰も居ない筈の校舎から声が聞こえる。どうやら隣のクラスから聞こえるみたいだ。



声の出し方からして、あまり学生として良い事をしている訳ではなさそうだ。サソリは盗み見る性格ではないが、やはりそう言う事に興味を示す年頃だからか、通り際に息を殺しながらちらっと覗く。



「……」



サソリは何を見たのか、目を見開き硬直しているみたいだ。その視線を辿ってみると、教卓の上で淫らな行為をしている学生が二人。



それが男と女ならまた話が別だが、その学生はお互いに男…。一人は綺麗な金髪をしていて、サソリも見覚えがあった。いつも無邪気で人懐っこい性格、ここのクラスでデイダラと言う。もう一人は黒髪をしている。だが、あまり見ない顔だった。多分先輩か後輩だろう。



あり得ない状況に思考回路が停止する。なのに、目が離せないのは何故なのだろうか?



「ふ…っ、んんっ!」



デイダラは男に抱かれていると言うのに、淫らに悶える。その光景がサソリの中の何かに火をつけた。



情事が終わったあと、先輩と思われる男は綺麗に服を着替え、デイダラを置いて教室を後にした。



全て見ていたサソリは先輩が出て行った後、デイダラの所に歩を進める。まだ息が整っていないデイダラは、はぁはぁとさっきの行為の余韻を噛み締めているようにも見える。



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