どりーむ2

□夏祭りを君と
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「日吉、あっちも見に行こうよ!」


「………」



ほら、と私が指差す方向には人だかり。その正体はお祭り恒例の焼きそばで、ムードもへったくれも無いと分かっていながら食欲には逆らえない。




「俺人混みは苦手なんです」

「知ってるよーでも焼きそば食べたいんだもん」



私の言葉を聞いて日吉は大きなため息を1つ。ねえそんな顔しないでよ。
私はただ焼きそばを食べたいだけじゃないんだよ?
日吉と一緒に屋台並んだり、一緒に花火見たり、一緒に焼きそば食べたいだけなの。いっつも下剋上を夢見る日吉と幸せな時間を過ごしたかっただけなの。



「すいません先輩、俺ちょっと向こうの林で休んでます」


「日吉っ………」



言葉が見つからない。だって毎日部活と道場が大変な事ぐらい分かってて、それでも今日一緒にお祭りに行く事を了承してくれた日吉の優しさに胸が締め付けられたから。


気付いたら私は日吉の元へ一直線。そして人通りの無い林でポツンと座り込む彼を見つけた。




「………日吉?」


「すいません先輩、せっかく今日誘って貰ったのに」

「そんなの大丈夫だよ!てか一緒に来てくれただけで充分嬉しいし!」



「ありがとうございます、センパイ」




やばい、今のはかなりきゅんときた。あの日吉が、あの生意気で寡黙な日吉が素直にありがとうだなんて。夢でも見てるんじゃないかと本気で思ったけど、張り切って履いてきた下駄がとっても痛いから現実なワケで。




「…………っ先輩!?」


「へ?」




何だか頭がふわふわしてて今の状況を理解するのに時間が掛かった。


何故か目の前にはどアップの日吉。そして私の左手は彼の肩、右手は日吉の襟元に潜り込んでいた。端からみたら私が襲ってるみたいで。まあ別に間違えでもないのだけれど、何がここまで私を積極的したのだろうか。でも考えたところで私の理性は止まらない



「ずっと好きだったの」


「あ、のっ先輩っ…!」



返事も聞かずに唇を塞ぐ。初めてのキスは触れるだけ。唇を離すと日吉の目は少しトロンとしてていつもの威厳はどこへやら。だけど、そんな無防備な日吉が余計愛しくて堪らなくなった。

くちゅくちゅと音をたてながら舌を絡め合って、冷たい地面に2人で倒れこむ。私の下には可愛い日吉。
少し怯えたように頬を染めていて、私の理性を取りのぞくには充分だった。



「かわいい、」


「....嬉しくないですっ」


「じゃあ、いとおしい」


「っ、俺も先輩が好きです.....」








ヤバイ、理性が持たない。

「じゃあさ、日吉の初めて貰っていい?」


私の問に彼はビックリしてたけど、数秒たってからこくりと頷いた。



乱れる二人の呼吸は、
夜空に舞う花火に掻き消された。



110830.




終わり方すいません。
日吉が乙女でした。
長々放置すいませんでした。謝ることが多すぎて、本当にすいません。

亀更新ですが、これからも少しずつ更新します。


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