どりーむ2

□乙女とは単純な様で
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「本音言うとな、めっちゃ触りたいねん」


「ほう」


「せやけど、触りたくても触らんっちゅーのもなんか萌えんねん」


「はあ。どーゆう意味」


「なんちゅーか、初々しい感じがええんよ」



こいつはヘンタイだ。一瞬で身体中に警報が鳴り響く。初々しいってなに、要は処女好きなんやろ。完璧、イケメン、エクスタシー。そんな男の正体が処女好きという変な性癖を持ったヤツだったなんて。まあこんな話をうちにしてくれると言うことは余程心を開いてくれていると言うことで良しとする。せやけど、やっぱ好きな男に性癖を聞かされても流石に困る。


「お前は性癖とかないんか?」


そうキタカ。 いくら心開いてても女子にそんな事聞いちゃいますか。冗談ならまだしも、蔵は至って真面目な顔を貫き通す。くそイケメン過ぎやあほ。



「あるよ。毎日エクスタシーとか叫んどるヤツ見ると厭らしい気分になる」


「へえーってか俺かいな」

「うん」


「え まじで?」


「そやで。うちずっと蔵の事好きやったんや」


「……なんか過去形やない?」


「そりゃ性癖どうこう話されたら心乱れるわ」


「すまん、今の話全部忘れて。……ちょっと溜まってたんや」


うわ、まじコイツ最低。性癖の次は思春期のお悩みか。てかうちの告白はスルーか。まじ意味わからん。


「じゃあ誰かにヤらせて貰えば?蔵ならそんなん困らんやろ」


「あほ、俺は好きな女がええんや」




ドキり。さっきまでの汚れた雰囲気とは一変して真面目な空気が流れる。これぞイケメンの力と認めざるを得ない。てかこれはどういう状況?そりゃうちは女の子だし蔵の事が好きだから、今みたいに見つめられると少し期待してまう。あかん、止まれ心臓。




「俺もお前が好きや」





次にうちの耳元で呟かれた言葉はエクスタシー。うちの話を聞いての行動か。ってことは蔵はただヤりたいだけ?だけど好きな子じゃないと嫌って言ってたもんな。まあええか。


やっぱり恋する乙女は単純な様で、うちは蔵がシャツのボタンに手をかけた事をあっさり許しました。


100516.


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