小説
□night time
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チッ…チッ…チッ…
時計の針が動く。
夜11時2分。
もうアレン達は寝てしまっただろうな…。
風呂から上がったラビは、本棚から分厚い本を手に取りソファに座った。
どうせ今日も眠れない。
新しい教団に引っ越してから、夜になると落ち着かない。
11時10分、
本はまだ2ページしか進んでいない。
ふと窓の外を見る。
輝く三日月と瞬く星を眺めること……2分。
コン、コン、コン。
部屋のドアをノックする音。
(こんな時間に誰だ?)
本にしおりを挟んで、ドアへ歩み寄った。
『誰さ?』
ドアに向かって尋ねる。
「オレだよ」
ラビは驚いた。
聞き覚えのある声。
「開けて?」
甘い声が聞こえる。
ガチャ…
少し悩んで、ラビはドアを開けた。