小説
□night time
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多分、ティキの腕の中だ。
『(……あったけ)』
不覚にも抱き締められて落ち着くラビ。
普段触れない人肌の温かさと、ティキの甘い香りにウトウトし始める。
「淋しかったんだろ?」
耳元で囁かれる。
『(…さみしかった?オレが?)』
何故ティキがそんな事言うのかわからない、
それよりオレ達は敵同士、このまま寝てしまえば殺されかねない、いや拷問されるかも(こいつはSっぽい)などと、
睡魔の襲う頭で必死に考えるが無駄だった。
ラビは十数日ぶりに夢の中へ入った。
「おやすみ」
髪にキスをする。
「人が恋しいと眠れねぇモンさ」
名残り惜しそうにラビに毛布をかける。
「オレも眠れねぇんだ……ジュニア」
――――目を覚ませば
貴方の香りだけが残っていた。
また、逢える日まで……。