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□いかないで
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すき、すき。すき!

私はいつから
こんなにあなたを
すきになってたのかしら。
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『なによ!』『なんなんだ!』

春先の談話室
ハリーがまたか。と
呆れた顔で私たちふたりを一目した。


そう、私たちお決まりの口喧嘩。

「ロンったら!なんであなたはいつもそうなの!?」
「君こそいつもそうやって!」

原因はいつもながら
お互いのくだらないヤキモチ

「もう!!ロンなんて知らない!!!!」
なのに今日も私は素直になれない
私は持っていた本をロンに投げ付け談話室を飛び出した

本当は喧嘩なんかしたくない
喧嘩したあとの私の頭の中は

ロンでいっぱいになる





「またやっちゃった・・・」

走り疲れて足が止まると
いっそう頭から
ロンのことが離れない



「はなれなさいよ・・ばかあ」
頭の中のロンに投げかけ
私はその場でうずくまった

なんでいつも
素直になれないのかしら

本当はずっと一緒に隣にいて
手を繋いで笑いあって
ギュッと抱きしめてキスしてもらいたい
そうしたらきっと、
不安も無くなるから

だって、



だって、私、



ロンのことが、好きだから。











「見つけた」


その声におどろいて
涙でぐちゃぐちゃになった顔をあげると
そこには息を切らした
ロンが立っていた


私の大好きな人、ロン。



「もう、また君はすぐに飛び出すんだから、心配したんだぞ勘弁してくれ」

そう言ってロンは私を抱きしめた

「その、わるかったよ、ごめんよ?ハーマイオニー」
探し回ってくれたのだろう
いつものロンのにおいに混ざって汗のにおいがした

「だけどもう急に飛び出さないでくれよ?本当に心配だったんだから・・!って、ああーー!もうまたそんな顔して!」

自分の制服の袖で
黙り込む私の涙を拭いてくれるロン。

「・・・って、いつもそんな顔にさせてるのは僕なんだよな。ごめんよ。」
そう謝って、哀しそうに
また私をギュッと抱きしめる

違うの、ロンのせいじゃない・・!!いつも私が素直になれないの。
本当は、本当はただすっごく大好きなの!
なのにいつもロンに謝らせてしまう・・・
哀しい顔をさせてしまう・・

私も、素直にならなきゃ、


「ロン、違う!ロンのせいじゃない。私、素直になれなくて・・本当は、ただ・・」

ロンの瞳が真っ直ぐ
私を見ている

「・す・・好きなのッ!」

言ったと同時に
私は恥ずかしくて
ロンの胸に顔を埋めた

恥ずかしい!恥ずかしい!!自分で言ったのに
恥ずかしすぎて顔を上げられない!!


どうしよう
急にこんなこと言って
ロンはどんなふうに思っただろう




ギュッ
「!!」

突然力をこめられて
驚いて顔をあげた私の瞳には

私以上に真っ赤になったロンがうつった


「ハーマイオニー知ってる?」
「え?」

「そういうの、不意打ちって言うんだよ!!」

その瞬間、
私はまたロンの胸のなかに包み込まれた。


「ぇ//ロン!はなしてー!!」

「いやだ、


だって僕も好きだから」

--------ドコニモイカナイデ
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私の瞳にあたたかい涙があふれていた

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