短編小説【2】

□夏休みの一日
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 外に出れば、灼熱の世界が広がっていた。






せわしく響き渡るせみの鳴き声に、ゆらゆらとゆれる地面。

 
 蔵馬は、じりじりと照らされる真夏の太陽にぱたぱたと首元をあおいだ。

小さな風が首元にあたり一瞬だけひやりとさせる。

だがそれも、ほんの気休めにすぎない。




蔵馬は、小さくため息をつきながら玄関の戸締りをし、ノート類を入れたかばんを持ち直すと市立図書館へと向かった。
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