キリリク小説

□薬草と攻防戦【キリ番『5000』】
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 本日の雲行きはなんとも怪しかった。



 山の奥からは、小さくだが雷音が聞こえる。なんとも不吉な出来事が起こりそうな予感。

 

 その予感がこの日、見事に的中する事となる。



『薬草と攻防戦』



 幻海の寺では、本日も一生懸命修行をしていた。


 日に日に強くなっていく六人に、幻海も感心を抱く。かつて、蔵馬に幽助よりも教えがいがあると言ったことがあったがまさにその通りだ。



「そろそろ休憩しな。もうそろそろ蔵馬も来ることだろう。」


 幻海の言葉を合図に、それぞれが修行を一時中断する。


 陣と鈴駒と酎が、水を飲みに外に向かい死々若丸はどこかへと飛んでいってしまった。


 道場に残った鈴木と凍矢も、張り詰めていた緊張をとき床へと座る。




「またあの薬草を持ってくるのか…蔵馬は。」



「出来ればもう食べたくないものだな。」




 二人は、がっくしと肩を落とす。
確かに、日に日に力はついているのを自分たちは感じているがやはり嫌なものは嫌だ。


 このあと食べざるおえない薬草の存在に、思わず身震いする二人。



 その背後に、蔵馬がいたなんて全く気が付かない二人だった。

 


 




 
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