キリリク小説

□明け方の訪問者と手紙(あきな様)
1ページ/7ページ




まだ夜が明けぬ明け方の頃。

冬の空は、日が昇るのが遅く外は街灯が所々ぽつりと輝き閑散としていた。

時刻は、午前五時。

まだ人々が寝静まっている中、蔵馬もまた規則正しい寝息をたてて眠っていた。

静寂とした部屋の中で、時を刻む針の音が響く。

すると、その時。


―…ガラガラガラッ


夜中だという事も気にせず、窓を開けると土足のまま黒いマントに覆われた人物が入ってきた。

ズカズカと寝ている蔵馬
に近づくと飛影は非情にも、


「…おい。起きろ。」


と、起こしはじめた。


「……ん…、ひえい…?…こんな時間にどうしたんです…?」

起こされた蔵馬は、寝ぼけている目で目覚まし時計を確認する。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ