キリリク小説
□明け方の訪問者と手紙(あきな様)
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まだ夜が明けぬ明け方の頃。
冬の空は、日が昇るのが遅く外は街灯が所々ぽつりと輝き閑散としていた。
時刻は、午前五時。
まだ人々が寝静まっている中、蔵馬もまた規則正しい寝息をたてて眠っていた。
静寂とした部屋の中で、時を刻む針の音が響く。
すると、その時。
―…ガラガラガラッ
夜中だという事も気にせず、窓を開けると土足のまま黒いマントに覆われた人物が入ってきた。
ズカズカと寝ている蔵馬
に近づくと飛影は非情にも、
「…おい。起きろ。」
と、起こしはじめた。
「……ん…、ひえい…?…こんな時間にどうしたんです…?」
起こされた蔵馬は、寝ぼけている目で目覚まし時計を確認する。