X'mas 小説(2009)

□『Happy X'mas』
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 日が傾き始めると、空は一気に暗くなりはじめた。

 あちらこちらからぽつぽつと点り出す光が集まって美しいイルミネーションが広がる。

街中は、幸せだったりそれぞれのクリスマスで溢れていた。


大きなクリスマスツリーが、行きかう人を見守っている。


 そして、幻海のお寺では…。




「「「めりーくりすます!」」」



その掛け声と同時に、シャンパンのふたが開く。

いつもは閑散としている幻海のお寺は、今日は久しぶりに顔をあわせる仲間でにぎやかとなる。


久しぶりの顔ぶれに、それぞれ再開の言葉を交わす。


「陣〜〜〜!おめーらと会うのは久しぶりだな!」


「幽助〜〜〜!」


陣が幽助に飛びつくと、悪酔いした酎もやってきて上から飛び掛ってきた。

「うげっ!酒くせえぜ、酎!」

「酎は、真昼間からお酒を飲んでいたからな。」


端から見ていた凍矢が、あきれ果てた口調で言ってきた。
鈴木と鈴駒がこくこくとうなづいている。

「ケケケ。ざまあみろ。」

酎と陣と幽助の騒動を見ていた死々若はくるくる回りあざ笑うと

「こらっ!」


と鈴木から怒られてしまった。


それを無視して部屋から飛び去ってしまう死々若に鈴木は、またもや「こらっ!どこへ行く!」と追いかけていった。
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