過去拍手小説

□『目覚めればプー-蔵馬編-』
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―ピピピピピピピピ…

部屋中に鳴り響く目覚まし時計に、カーテンの隙間から入り込む朝の陽光。

薄暗い部屋の中で、規則正しい寝息が聞こえていたがピタリと止まり同時に目覚まし時計の音も止まった。

「んー…。」

蔵馬は、背伸びをするとぼーっと部屋を見渡した。

まだ覚めぬ脳に喝を入れようと、蔵馬はベットから降りた時だった。

…ふにっ

なにか柔らかいものを踏んだ気がした蔵馬。

だかそれは気のせいでは無かった。

「!!??ププププ…プー!!!」
「なっ…!?プーじゃないですか!驚かさないでくだ………え?」

蔵馬は、我が目を疑った。
それもそのはず。
蔵馬の前でぱたぱたと飛ぶその小さな幻獣は、本来の愛らしい目をしておらずギッとこちらを睨んでいる。つんつん頭に開かれた第三の目。

「ぷ…くく…可愛いじゃないですか。」

蔵馬は、頭を撫でようとした。が、可愛いと言われ頭を撫でようとした蔵馬に飛影のようなプーは 突如、火をふいた。
どうやら蔵馬の言動に不快感を抱いたようだ。

だが、さらりとかわした蔵馬。

「ふっ…」

飛影の姿をしたプーに蔵馬の笑いは治まらない。

耐え切れなくなったプーは、とうとう一枚の写真を取り出した。

「そ…それは!!」

プーは紙になにかを書き出した。

『これが変態鴉に渡ってもいいのか?』

「いつの間に撮ったんですか!?渡しなさい!!」

『もう遅い。すでに郵送済みだ。』

そう書き終わるとプーはそそくさと逃げようとした。蔵馬は逃がさまいと追いかけた時……奴は現れた。

「トリートメントはしているか…?」

「…………うわぁぁぁあああ―…。」

―――
――――…

「はっ…!…ゆ…夢…?」

とても目覚めの悪い朝。
ちなみに今日から試験がある。蔵馬は、なんだか無性に腹が立った。

「…ふふふふ…まぁ…夢だったけど、少々お仕置きしなきゃね。」

後日、飛影の元に沢山のオジギソウが送られてきたのであった。



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