SHORT TEXT

□DOLL
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憧れ抱いてるばかり、キレイに飾られたドール。


分かってないでしょ。

心はまるでダイナマイト。
嫌んなっちゃうよ、あの人の思い通りになれない。

「次の授業サボるー」


そう言って教室を去って行ったクラスの人気者。


「えー!敏弥サボんのー!?」


彼の友人達はつまらなそうな顔をしている。

僕もサボりとかやってみたい。

でも僕は優等生をやってるからサボりなんて無縁。

彼と僕も、無縁。

僕も彼の隣に居たい。

だった頭はラブマシーン。

興味津々。

ラブなシーン。

愛してる。



僕は家に帰る道にある薬局に行ってブリーチ剤を買って帰った。

色を抜いてみて、案外…ってかめっちゃ似合ってる自分が居た。

買ってあったピアッサーでピアスも開けてみた。


やって、

イイ子ちゃんなんて

気取れへん。



制服も若干崩して学校に行った。

クラスの奴等はざわざわ言ってたけど、そんなんどおでもいい。


僕は彼の席まで行って周りにたかってる奴等を退かして、


初めて彼が僕を見てくれた。

彼はびっくりしてたけど、すぐに笑顔になって、言ってくれた。


「かーわい」




憧れ抱いてるばかり

綺麗に飾られたドールから卒業。


-end-

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