SHORT TEXT
□Marionette
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誰もが小さい頃に描いた様な夢の世界。
1日中真っ暗闇。朝が来ないんだってさ。
だからずっとキラキラのお星様が見えてるんだ。
夜空を見上げてごらん?
星がポタポタ落ちてきそうなその街。
お花の形をした街灯が目印の人形劇場は兎や蛙や星にも人気なんだよ。
こっそりその扉を開けると綺麗なお人形がくるくる踊ってる。
でも今日はお客様が居ないみたいだから貸し切り。
薄暗い照明が舞台を照らして、胸がドキドキする。
でも、流れてきた音楽は擦れたオルゴールのメロディーと泣き声。
いつも綺麗に踊ってるお人形が、今日は涙を流しながら踊ってる。
裾の焼けた紅蓮のドレスが痛々しいよ。
「もっと楽しそうに踊らないとダメだよ」そんな事、無いよ。
「笑わないとダメだよ。」泣いてもいいよ。
落ちてきたシャンデリアに連れていかれてしまう。
どうか行かないで。
そのココロってやつは血が通ってるの?
傷だらけのドレスが似合う人の形にならないで。
耳障りなメロディーと同じ意見かもしれません。
悲しみを流しながら踊ってるお人形にならないで。
偽りだらけのマリオネット
踊る君を止めた。
どうして君は動かないの?
-end-