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□紅葉
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秋の紅葉
帰り道、ふと足を止め、1本の木を見上げる。
大きな楓の木。
自分の背丈の何倍もある木。
夏は涼しげな淡い緑色をして心地よい木陰を作っていた。
今は真っ赤に色付き、ヒラヒラと赤い葉が舞い降りている。
落ちた葉を一枚広いあげる。
季節ごと姿を変え、人の心に印象づける木。
どの季節でも人を魅力する。
ヒラヒラと雪のように舞い散る楓の葉。
この木は秋が一番綺麗だ。
「どうしたの?ぼんやりして」
「………いや」
「あ、この木、すっかり色付いてるね。綺麗だね、このもみじ。」
「………」
もみじじゃなくて、これは…
「……カエデ」
「え?」
「この木……カエデだ」
俺はこの木が好き。
自分と同じ名前のこの木が……
「もう間違えんな」
二人で舞い降りる楓の葉を見つめる。
この季節のこの木が一番キレイ……
来年も、一緒に見よう…