短い夢「文」

□扉の向こうにこんにちは
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第一回   ソウマin緋色空色  (前編)









誰だ。


一体、誰が。


「誰が僕の部屋を勝手に改造したのかという素朴な疑問を抱えている非日常的な日常に嫌気がさすね。」


まぁね?答えは簡単すぎてもう逆にむかつくんだけどね?


「ねぇメイ。どうしてここにいるのかな?」


「いやん☆ソウマってばもうきゃわゆ♪」


「少しは会話のキャッチボールを心得ようとか思わないわけ?」


非日常的以前にこの非人間的な変質者を訴えておこうかと思う。あ、これ本気だよ?


「今回この部屋に新たに現れましたこの美しい扉!開けばそこには部屋の壁!」


「つまりは超たちの悪い悪戯?」


「簡潔な答えThank you♪」


「超難解な行動ノンセンキュー☆(怒」


誰かこの迷惑以外何者でもない少女を精神病棟に放り込んでください。


謝礼金はもう国1つでも。世界の平和のために。


「しかしだね!!」


「突然だね。」


「しかしかしかし♪」


「遊ばないで。調子乗らないで。ふざけないで。簡潔に10文字で言葉にあらわして。大至急。」


「あ・た・ら・し・い・と・も・だ・ち・☆」


「1文字『☆』で埋めるなんて小学生でもしないよそんな大胆な。」


「だからね?この扉は神である私がノックすると異世界に開くの♪」


「全く耳に覚えのない情報をだからで繋ぐな。誤解をまねくでしょ。」


「禁断の愛みたいな!!!?」


「誤解繋がりでそこまで飛ぶなんて流石に予想できなかったな〜☆」


で。この神(自称)の世迷い言によれば。


―その超ファンタジーな扉が僕の部屋に出現?ありえな〜い♪


「で?今回僕に新しい友達を紹介すると。そういうことだよね?」


「そうそうそうそうそう!ちょおおおおかわゆううううううな子なんだよおおおおっっっっ☆!!!」


「読みにくいセリフ発すな。」


「じゃあレッツノック!」


「シカトすんな。」


『ゴカキンゴキンゴキャコギャスブグチュ!!』


―・・・明らかにノックの音じゃないよね。


僕もうこういう摩訶不思議現象に冷静に対処できるようになっちゃったんだね。悲しいな。死のうかな。


もし死ぬことになったらこの神サマも絶対に道連れにしてやる。


「ほい♪到着〜〜〜☆」


「どこでも○アも真っ青だね。」


そんなつっこみをしながら扉を覗きこむと・・・。高級マンション?の・・・最上階スイートルームかな。


プリンセスベットとか、見るからに豪華そうな。ソファー。


「ここに住んでるの?何歳?」


「17歳♪」


―てことは・・・ルルたちと一緒なのか。


と、そんな時。


「ん・・・誰?」


不意打ちって、久しぶりにされた。


「え・・・と。」


「じゃ、そゆことで、また会おうソウマ!!!」


『どーん。』


「ふぇええええっ!!!?」


音から想像できるように突き飛ばされた僕の後ろで、無情にも扉消えちゃった♪


―さようなら☆僕のたった1つの命綱。


「・・・?」


ベットから覗いているのはソウマより幼い少年で、


―あれ。17歳とかって言ってなかったっけ。


「え〜・・・と?とりあえず・・・こんばんは?」


「こんば・・・んは・・・?」


おずおずながらも返してくれる男の子の親切さが心に沁みる。


もしかしたら神サマに理不尽なことされたのを見て同情してくれちゃってたり?


―・・・それにしても。


綺麗な子。


前に絵が好きな兄が見せてくれた。綺麗な妖精の絵を思い出す。


人を魅了し惑わせる、魅惑的で、美しい非現実世界の生命体。


銀色の長い髪や、真紅の、ルビーを思わせる高貴な瞳。


「はじめ・・・まして?」


「え、あ、ああ!初めまし・・・て。」


「あなただれ?」


「えっと・・・うん。誰・・・だろうね?」


何言ってんだろう。パニックとか、そう言うんじゃなくて、


見とれてた。


幼いころ、大きなショッピングモールで宝石店の前を通る度、目を引き付けられた。


今の感じは、その比じゃない。


―男の子・・・だよね?


「なまえ・・・。」


「え?」


「なまえ・・・なに?」


「あ、名前?名前は・・・ソウマ。ソウマ・ベルマータ。君は?」


「空野 魁・・・。」


「魁・・・くん?綺麗な名前だね。」


「・・・ありがと。」


にこって笑う。


―やっぱ、綺麗なんだよね。


というか。空野 魁?日本人?


「日本人なんだ?」


「うん。」


ハーフとか?それとも創作者の都合(好み)?


「えっと・・・。」


どうしよう。どうやって会話を進めよう。


どうすれば、この。突然部屋に登場した変質者な立場から開放されるのかな?


「んっと・・・魁くん?」


「?」


首を傾げる魁くん。さて。この質問に全てがかかっている。


失敗したら完璧変質者。成功したら身の潔白が証明できる。


―魁くんに変質者だと思われるのは超悲しいな・・・。


でもま、しょうがないよね?泣いちゃうよ?僕。



























「神サマに、会ったことある?」



























「・・・・・・・・・?」


だ、だめ?だめなの!!!?


メイが連れて来たってことは魁くんが新しい友達のはず。17歳ってところと一致しないけど、メイたちと共通できる世界なら、


神サマの存在は、きっとポピュラー。(それもどうなの


「えっと、ちょっと変な人とか・・・。」


「いる。」


「え?」


はっとしたみたいに、「あ〜あの人!?」みたいなひらめき顔になって


「レン?」


「それだ!!!」


―はあああよかった。


とりあえず、第一段階はクリア?
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