The sky of ditty

□鎖
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優しくて。
いつも傍にいてくれた。
そんな友達。
翼のように僕を
外の世界につれて行ってくれた。
太陽のように暖かく。
僕を照らしてくれた。
君にはいろんな友達がいた。
君にはいろんな仲間がいた。
月も、花も、風も。
光も、闇も、海も。
その中にひとつに、僕はなりたかった。
月のように優しく。
君の夜を照らしてあげたかった。
花のように美しく。
君の世界を彩ってあげたかった。
君を支えるための
大きな存在になりたかった。
君は世界そのものを支えてる。
僕の世界の色は、
君色一色。

支えられてばかり。
翼を持った、鳥。
それが君。
憧れてやまなかった。
いつも羨望と尊敬と、
信頼の瞳を、君に向けていた。
それなのに。
僕は君を支えられなかった。
月にも、花にも、風にも。
光にも、闇にも、海にも。
僕は君をこの白黒の世界に閉じ込めた。
つまらないこの退屈な世界に
縛り付けた。
あんなに願ったのに。
僕はただの鎖だった。
君を縛り、地に堕とす。
錆びてて、脆い。
崩れかけの鎖だった。
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