南国娘(PAPUWA)
□師弟
2ページ/13ページ
マーカー
(馬鹿弟子め)
一瞬黒い影が岩陰に隠れるのが見えた。
マーカー
『灰になりたくなければ三つ数える間に出て来い。一つ、…遅い』
観念してとぼとぼ出て来たアラシヤマを蛇の形をした火炎が襲う。
マーカー
『手間をかけさせるな』
アラシヤマ
『す、すみまへん』
家に誰か訪ねてくるなど今まで一度もなかった為、動揺してしまった。
アラシヤマ
(せやけど何で師匠とリナはんが揃って家に来るんでっしゃろ)
お客様用にと買っていた湯呑みで茶を振る舞いながら二人の顔を交互に見つめる。
普段はGがいるから余り目立たないかもしれないが、マーカーもそれなりに寡黙な方だ。
どんな会話をするか気になる。
マーカー
(二人でいるのが意外、と言いたそうだな)
確かに会話というのはあまり無い。
リナが話す事に一言二言相槌を打つ程度。
後は行動を見守るというか観察している。
なかなか新鮮で面白い。
マーカー
(ふっ。今日は楽しくなりそうだ)
リナに辱めを与えると同時にアラシヤマもからかってやろうと心の中で黒く微笑んだ。