一輪の華(銀魂)
□手離れ
2ページ/10ページ
バシャバシャハジャバシャ
緋那
『ああいうことは早く言えよバカ。素手で触っちまったじゃねーか』
公園の水道でこれでもかと手を洗う。
土方
『おい、上司に向かって何だその口の利き方は』
緋那
『あれ、聴こえちゃいました?』
緋那は蛇口をキュッと締め、笑顔で土方を振り返った。
目は笑っていない。
緋那
『聴こえちゃったついでに言わせて貰いますけど。ガムなんかよりもっと汚ねーもん先に踏んでんじゃん。なのに何であんなに絡んだんですか?あ、もしかしてアレですか?ウンコ踏んだ鬱憤をアイツで晴らそうとしたんですか?それが警官のやることですか?そんなのそこらのチンピラと変わりませんよ』
土方
『……………だって、下ろし立てだったし…』
緋那
『ちょっと、いい大人が泣かないで下さいよ』
言いたいことを全て言い終えた頃、土方の目には軽く涙が浮かんでいた。
緋那
『あーもー。帰ったら綺麗に洗ってあげるから、元気出して下さいよ』
土方
『うん。…つーか泣いてねぇし』
コクリと頷き、バレないように涙を拭う。
途端、緋那が慌てた様子でくるりと背を向けた。
土方は不思議に思い後ろを見る。
土方
『…チッ』
見知った男と目が合ってしまった。
銀時
『あ、今舌打ちした?』
土方
『してねぇよ』
銀時
『絶対した。チッってハッキリ聞こえた』
土方
『空耳だろ。つーか話しかけんな、バカがうつる』
二人がギャーギャーやっている隙に緋那は公園を後に…
銀時
『あっれー。緋那くん、久しぶりィ♡』
出来なかった。