南国娘(PAPUWA)
□歓迎
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アラシヤマ
『あ、日の出どす』
リナ
『わぁ…。すごく綺麗だね』
水平線から太陽が顔を出し、辺りは徐々に明るくなっていく。
二人はあのまま浜辺で一晩中お喋りに華を咲かせていた。
アラシヤマ
『リナはん』
リナ
『ん?』
アラシヤマはゴクリと喉を鳴らし、緊張気味に口を開く。
アラシヤマ
『今からデート、じゃなくてお出かけしまへん?あんさん流れ着いたばかりで島の事わからしまへんやろ。わてが案内したりますさかい。島のみんなにもわての彼女、じゃなかった、お友達を自慢したいんですわ』
リナは早口でまくし立てられ、ポカンとしてしまう。
アラシヤマ
『お嫌どすか?』
リナ
『そんなことないよ』
アラシヤマの表情が陰ったので慌てて否定した。
リナ
『ただ、その、自慢ってゆうのはちょっと違うと思うんだけど…』
アラシヤマ
『またまた謙遜しはって、可愛いお人や』
リナ
『そうじゃなくて』
アラシヤマ
『大丈夫。リナはんは魅力的どす。わてが保証しますえ』
今まで友達がいなかったのだから友情の在り方がわからないのは仕方ないのかもしれない。
そう思ったリナは曖昧に笑顔を返す。